現役医療者の視点

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「地中海料理ピラミッド」と「食事バランスガイド」

「地中海料理ピラミッド」は、バランスのとれた健康食として、栄養学・医学において、世界的に有名です。一方の、「食事バランスガイド」は日本の厚労省・農水省によるもので、一見似ていますが、食に対する考え方が根本的に違います。

【地中海料理ピラミッド】

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引用:世界遺産になった食文化2 地中海料理 WAVE出版 p7

地中海料理ピラミッドの特徴
 ・毎日、週、月単位の食のガイドになっている。
 ・何世紀も前から、地域で入手できる伝統的食材を使う。
 ・栄養素について神経質に考えなくても、自然に整う。 
 ・ピラミッドは安定感がありバランスが取れている。
 ・地中海周辺の健康的な生活スタイルをイメージできる。
 ・政策、業界団体の思惑が入っていない。

 忙しい毎日の食事と、週末の伝統的な家庭料理、地中海周辺を舞台にしたドラマが想像できます。

 

【食事バランスガイド】 厚労省・農水省

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引用:「食事バランスガイド」母子手帳版,(厚労省・農水省HP)


食事バランスガイドの特徴
 ・食事を一日単位で考えている。
 ・栄養素の計算上の組み合わせから食材が決まる。
 ・“コマ”を安定して回すためには努力が必要。
 ・生活スタイルについては吹き出しで付け足している。
 ・管理栄養士の献立作り、栄養指導に役立つ。
 ・政策、業界団体の思惑が入っている。

 食材の中には、毎日ではなく、週に1回程度の摂取が適切なものもあります。かつて、お母さんは1週間、1か月を単位に食のやりくりをして家族の健康を管理していました。 
 食事バランスガイドは、新人の管理栄養士でも一日単位で食事を管理できるように作られていますが、栄養士は料理を作りません。実際の調理場では、地域の習慣や季節の食材を理解し、修業を積んだ職人である調理師と、意見の対立もしばしば起こります。
 現在の管理栄養士はほとんど専用パソコンソフトで献立管理をしており、この「食事バランスガイド」は、いわば国民総家畜化ガイドラインのようなものです。