現役医療者の視点

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小股の切れ上がった、毛深い "いい女"

大学や自治体主催のミスコンテストが中止になり、女性を審査するような言動には厳しい時代ですが、ヒト生態学的には、”いい女”に男が群がり、その群がった男の中から、女が男を選んで子孫を残すというのが、平和な時代のオスとメスの自然で理想的な姿です。

かつてのテレビ番組「ねるとん紅鯨団」では、男が”いい”と思う女性の前で手を差し出し告白すると、しばしば競合する他の男から「ちょっと待ったぁ~」と声がかかり、どの男の告白を受けるのか、「ごめんなさい」と断るのか、女性が決める。というシーンが毎週繰り広げられましたが、ヒト生態としては、とても健康的な番組でした。

”いい女”の基準は主観的で多様であり、時代により変化します。オリンピック競技のように客観的数字や勝敗で競うことができないから、さまざまな趣旨のミス(メンズ、おかま)コンテストが行われ、たとえ、ミスコンテスト世界一であっても、日本人にはピンとこないこともよくありますが、それで良いのです。ミスコンに厳しい人は、むしろ、多様な価値観を理解していないともいえます。

その昔、江戸の町は男性過剰の社会でしたが、男たちのうわさ話の“いい女”には、
「小股の切れ上がったいい女」
「毛深い女は情が深くて、床上手」
などがありました。

小股の切れ上がったいい女

広辞苑:女の足が長くすらりとした粋な体つきをいう。
明鏡 :股についての、ちょっとした動作についていう語。

しばしば「 ”小股”とはどの場所か?」と議論されますが、実は、「和服で粋に歩くさま」を示しており、身体の部位の名称ではありません。両足立ちしている人の身体の一部を指さして、ここが”小股だ”とは言いません。その点で、広辞苑よりも明鏡の方がより正確です。

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相撲の決まり手「小股すくい(掬い)」は、投げを打って相手が足を送って堪えるときに、その足の膝関節の内側を片手で掬い上げて倒すことですが、これは、相撲の取り組みの流れの中で、この部位を手で掬うと相手を倒せるツボとなる”力点”があるということです。昼寝をしているお相撲さんの膝の内側を小股とは言いません。

女性を美しく見せるダンスのステップに、フラメンコのゴルペ、プランタ、アルゼンチンタンゴのボレオなどがあります。その基本は、顔は正面、上半身をあまり上下させず、片足加重で太ももは閉じて、浮かせた足の膝から下で、リズムよく振りをつける共通点があります。
動物の求愛ダンス、先住民の踊り、阿波踊りの”女踊り”などにも、似た動きがあり、本能的に異性を引きつけるしぐさ(lovable gesture)の一つといえます。

習得に3年かかるとされる花魁の内八文字、外八文字歩きでは、重い衣装を着て、片足加重で重心移動しながら、高下駄で練り歩きますが、この様式化された所作は、鍛えられたインナーマッスル(腸腰筋)やハムストリング筋がなければ不可能です。日本舞踊などの粋な立ち姿も片足加重が基本です。
片足に重心が乗って安定した歩きができる(小股の切れ上がった)女性は、下半身の筋肉だけではなく、日々の生活も締まりがある(だらしなくない)と想像させる、ということです。

 

毛深い女性は情が深くて、床上手

毛深い女性は情が深く、いい女とされました。毛深いとはアンダーヘアが豊かということです。床上手になる理由として、ホルモン的なもの、心理的なものが考えられ、詳細は確認できませんが、確かに、身体の他の部位の毛は薄く、皮膚は薄桜色できめ細かく、あそこだけが毛深い人がおられます。日本では、アンダーヘアは毛深くても気にならない(むしろ好み?)という男性も多いようです。最近、アンダーヘアを処理する女性が増え、将来、日本男性の意識が変わるのか、興味深いところです。