愛媛大学 プレスリリース
妊娠中のカフェイン摂取は、子供にとって効用があるかもしれないという発表です。妊娠中のカフェイン摂取については、過剰に神経質になっている方がおられますが、適切な量であれば心配はいりません。ストレスを抱えた妊婦には、むしろ効用があると思います。
ネット情報では、妊娠中のカフェイン摂取については否定的な記事ばかりですが、それらは妊婦のために書かれたものではなく、代わりの飲料商品を紹介するためのネット勧誘にすぎません。
多くの産科医は、コーヒー中毒のような過剰摂取でなければ、心配ないと考えています。(妊娠中の酒・煙草は禁止)
アメリカ産婦人科学会の、一般妊婦向けサイト「妊娠中の食物 よくある質問(FAQ)」2018年2月更新 からの引用。
Q. カフェイン摂取は妊娠に影響しますか?
A. カフェインが流産のリスクを高めるかどうかについて、多くの研究が行われてきましたが、結論ははっきりしませんでした。ほとんどの専門家は、妊娠中に1日当たり200㎎未満のカフェイン摂取は安全だと述べています。
イギリス食品基準庁もカフェイン200mg制限。カナダ保健省は300㎎制限としていますが、臨床研究による厳密な基準ではありません。今回の研究成果では、その基準以上にカフェイン摂取をしたグループで、生まれた子供の行動的問題リスクが低下しています。
飲料中のカフェイン含有量
・コーヒー1杯のカフェイン 60~80㎎
・緑茶・ウーロン茶は、100mlで20~30㎎
コーヒー2杯や、伊藤園おーいお茶500mlは問題ありません。
ドリンク剤のカフェイン含有量
・栄養ドリンク リポビタンD 50㎎、ユンケル 50㎎
効能に「妊娠・授乳中の栄養補給」 妊娠中も1日1本は服用可能
・眠気覚ましドリンク 眠眠打破 120㎎、メガシャキ 100㎎
注意書きに「妊婦は避けてください」 妊娠中の服用は不可
最も、やってはいけないことは、夫や母親、知人らが、妊婦に対して、コーヒーや緑茶を飲むことを罪悪のようにとがめることです。カフェインの過剰摂取になっていないかどうかを見守りましょう。
カフェインに限らず、周囲の人のアドバイスは、まじめで几帳面な妊婦ほど、思わぬストレスとなって、産後うつや育児ノイローゼのきっかけになります。
妊娠中の飲料として、ネット上やテレビ情報番組でおすすめのルイボスティーは、飲みやすいと思う方は継続されて良いと思いますが、何かの効用が期待できるほどのものではありません。
タンポポ茶、ハーブ茶などは、あまりお勧めしません。継続して飲めるようなおいしい飲み物ではありませんし、成分に不明な点があります。最近の優秀なノンカフェインコーヒーの方が安全です。