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現役産科医の視点

生命誕生の現場、産科医の視点から

胎児の性別を聞かない選択 斉藤由貴さん

424日 NHKあさイチ <プレミアムトーク斉藤由貴>は、女性として、女優として、そして人として「よく生きる」ことを教えてくれる、まさにプレミアムなトークでした。

 

座右の銘は「なんとかなる

斉藤由貴さんは長女、長男、次女の3人出産されており、「長男出産秘話 号泣の真相は?」の中で、女の自分から男の子が生まれてきたことに動揺(感動)して号泣し、その様子に驚いた夫が、少し勘違いして優しい声をかけてくれたことを話していました。現在、その息子は「イケメンの王子様」とのことですが、注目したいのは、斉藤由貴さんは、妊娠中に子供の性別を聞かなかったことです。

20年以上前に、妊娠中の超音波検査で胎児の性別を知りたいかどうかについて調べたことがあります。知りたいが約8割、知りたくないが2割で少数派でしたが、ある時、助産師さんらと意見が一致しました。

妊娠中に「子供の性別は知りたくない」、「性別は生まれてからの楽しみ」という方は、お産の時に上手な呼吸でうまく陣痛を乗り切る人が多い、ということです。あらかじめ予想して、辛い想像を膨らませるよりも、自然体で「みんながしてきたこと、何とかなるわ……」くらいの気持ちで受け入れているのだろうと思います。

たとえば、旅行を計画する時に、あらかじめ下調べをして決めたチェックポイントを、計画通りクリアしたかどうかで旅行の成否を決める人がいる一方、ノープラン旅で、泊まる場所の目安以外はほとんど無計画、何かアクシデントがあったらむしろ旅の思い出にもなる……、くらいの気持ちの人もいます。

その人の性格もありますから、いまさら変えることは簡単ではありませんが、「なんとかなる」とは、「良くも悪くもなんとかなる」ということです。計画通り物事を運びたい、他の人より少しでも得をしたい、とは真逆の生き方になりますが、それが人として「よく生きる」ことにつながっています。

 

・母親のアドバイス「自分で選んだ恋愛なら堂々と不幸になりなさい」

これまで、あさイチ「プレミアムトーク」には、多くの方が出演されています。特に俳優のプライベートについてはNG事項もあると思いますが、今回、その制限の中でうまくトークが引き出されていました。井ノ原さんの、デビュー30年を振り返って、お母さんからのアドバイスで思い出す言葉とか何か? の問いかけに、世間からみると少し変わった母親で「自分で選んだ恋愛なら堂々と不幸になりなさい」とアドバイスされたこと、そして、女優については「演じることは表現というより吐き出す作業に近い、なくてはならないもの」と仰っていました。

私は、1987年のミュージカル「レ・ミゼラブル日本初演のコゼット役斉藤由貴さんの声と演技を思い出しました。

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レ・ミゼラブル」は人として「よく生きる」ことを問いかけます。斉藤由貴さんの言葉の裏に、レ・ミゼラブルから結婚に至るまでの思いの全てが詰まった、あさイチ「プレミアムトーク」史上、最高に女優らしいトークでした。