現役医療者の視点

現役医療者の視点  AllAboutガイド

2020-01-01から1年間の記事一覧

胎児と新生児のしゃっくり(動画)

胎児は妊娠7ヶ月頃から、しゃっくりをするようになります。普通の胎動とは異なり、胎児がピクッ、ピクッと繰り返し動くので、心配になるかもしれませんが、病気ではありません。 私たち誰もが経験するしゃっくりですが、まれな例外を除いて治療の必要はない…

新型コロナ、妊娠中に母親から胎児へ感染

妊娠中、母親が新型コロナに感染したら胎児も感染する? 妊娠中の母親から胎児へ、新型コロナウイルス感染が確認されています。 (リンク先は興味のある方だけお読みください) 妊娠中の方は不安になりますが、母子感染の可能性はあるものの、頻度はまれで、…

新型コロナでロキソニンやイブプロフェンは使わない方が良い

「結局、新型コロナに罹ったらロキソニンやイブプロフェンは飲まない方が良いのか」 という記事が紹介されましたが、これを読んでも最後まで、はっきりとした結論は示されていません。 (リンク先は興味のある方だけお読みください) 記事の中で、 「新型コ…

もらい乳・輸血の昔話と、C型肝炎ウイルスの発見

2020年のノーベル医学生理学賞となったC型肝炎ウイルスの発見や、新型コロナ報道で有名になったPCR検査法の発明は、1980年代のことです。当時、血液や母乳を介して感染するウイルスや、発がんウイルスのメカニズムが次々と明らかとなり、医療のみならず、日…

妊娠中、ちゃんとしたローストビーフは食べられる

妊娠中のローストビーフ NHKドラマ「デイジー・ラック」出演の佐々木希さんのインスタグラムに、ドラマの幼なじみ役4人でローストビーフを食べた時の様子がアップされていました。 この写真を見て、SNSのコメントや医療現場を知らない科学ジャーナリスト…

オーバーシュートとアウトブレイク 視点の違い

日本の新型コロナ感染報道では、感染患者数が指数関数的に急速増加する、爆発的な感染拡大のことを「オーバーシュート」と表現していますが、本来の英語としては、アウトブレイクが適しています。 オーバーシュートとアウトブレイクは、本質的に視点が違いま…

オーバーシュートは誤用英語(新型コロナウイルス感染)

現在、日本では、「新型コロナウイルス感染の爆発的増加」のことを、オーバーシュート(overshoot)と表現していますが、これは誤用英語です。(一種の和製英語) 本来は、アウトブレイク(outbreak)という表現が正しい。 意図的にパニックにつながるようなア…

経済評論家 森永卓郎さんが犯した2つの過ち

2020年2月、経済評論家の森永卓郎さんは、取り返しのつかない、大きな過ちを2つ犯しました。 経済評論家 森永卓郎さん 2020年2月17日、あるラジオ番組で、 森永「私は、今までの人生で、株を売ったことは、一度も無かったんですが、あのぉ、株主優待のを残し…

新型コロナ肺炎にイブプロフェンは避けて! ではロキソニンは?

フランスのオリビエ・ベラン保健相が、イブプロフェンは新型コロナウイルス感染症を悪化させる可能性があると指摘、もし解熱剤が必要な場合であっても、イブプロフェンは避けて、アセトアミノフェン(商品名:コカール、カロナール、タイレノール)の服用を…

新型コロナウイルス感染症と妊娠、授乳

連日、新型コロナウイルス感染の報道が続いています。情報は限定的ですが、今のところ、風疹、ジカ熱のような胎児異常、胎児奇形を引き起こす感染症ではなさそうです。 最も信頼できる情報源であるCDC(アメリカ疾病予防管理センター)のサイトから、妊娠、…

マスクの再利用 リサイクル方法と注意点

私は、この時期、花粉症対策でマスクをしますが、電車通勤の行き帰り、病院内一般業務、手術中、感染領域の業務など、1日数回~10数回、マスクを交換します。 全てが新品ではなく、時と場所により、マスクを再利用しています。 (自分が使ったマスクをリサイ…

新型コロナウイルス感染で変わる日本の医療

新型コロナウイルス感染の国内発生が確認された頃から、市販風邪薬のテレビCMが少なくなりました。例年と異なり、市販風邪薬で発熱、咳、鼻水などの諸症状を緩和させ、仕事などを頑張る人は減り、食事、睡眠、免疫力に気を配る人が増えています。 今シーズン…

「働き方改革」は医療改革のチャンス

2019年4月から始まった「働き方改革」は、戦後70年以上続いた日本の雇用システムを根本から変える改革です。 医療分野では、医師の長時間労働、過重労働の改善、つまり、医師のための改革として報道されることが多く、一般の人は関係がないと思われるかもし…