現役医療者の視点

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新型コロナでロキソニンやイブプロフェンは使わない方が良い

「結局、新型コロナに罹ったらロキソニンやイブプロフェンは飲まない方が良いのか」

という記事が紹介されましたが、これを読んでも最後まで、はっきりとした結論は示されていません。

(リンク先は興味のある方だけお読みください) 
 記事の中で、

「新型コロナウイルス感染症に罹ったときにイブプロフェンを使用するとどうなるのでしょうか? ‥‥‥、これを検証した研究が報告されました」とありますが、この解釈は正確ではありません。

ここで紹介されているデンマークの研究は、新型コロナ陽性と判定される前にイブプロフェンを使用していた人が、新型コロナPCR検査陽性になった後に、どのような経過となったかを調べた調査です。

この研究では、イブプロフェンを服用した時期と、新型コロナ感染時期には時間差があり、新型コロナに感染してからイブプロフェンやロキソニンを使用して良いか、について検証した研究ではありません。

結局、202011月現在、世界中の多くの医師は、新型コロナ感染者に対してイブプロフェンやロキソニンを使用するリスクは、まだ判明していないと考えています。

呼吸管理が必要な中等症、重症のコロナ感染患者に医師の管理下で、デキサメサゾンなどが使用できる状況で、解熱剤も使わざるを得ないのであれば、使用可能かもしれませんが、多くの新型コロナ軽症患者が、発熱のみの症状で使用することは勧められません。

この冬、インフルエンザや新型コロナのようなウイルス感染を疑う発熱があった場合に、自己判断で、ロキソニンやイブプロフェンの服用するのは勧められません。

 

現在、多くの施設で入室、入場時に検温が行われています。新型コロナ前の日本人感覚で、風邪症状の際に症状緩和の解熱剤を服用して熱を下げ、検温をパスしようとする愚行は、避けるべきでしょう。

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